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鳴神上人と雲の絶間姫 三代豊国 国貞 浮世絵 1851年

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市川團十郎展でも紹介された希少な浮世絵の二連画です。荒々しく猛り狂う瞬間が服の膨らみや両腕に巻かれた紐の向きが重力に逆らって、今まさに振り出した腕の様子を表しています。高名な僧が帝の不実にに立腹して、日本中の龍神を滝壺の中に隠してしまったから、雨が降らなくなって飢饉が生じて大変なことになった。そこで帝は絶世の美人と言われる雲の絶え間姫に結婚したい相手と結婚できることを叶えるから、鳴神上人から龍神の隠し場所を教わり解き放って欲しいとスパイ活動を依頼。鳴神上人は女性を知らないからこそ世俗の欲に惑わされずに上り詰めたのですが、雲の絶え間姫の色仕掛けで徐々にタガが外れて、仕舞いには結婚したいという始末。姫はお酒で酔わせてその気にさせて、龍神の秘密を教わって、上人が寝ている間に解き放ってしまう。目が覚めて雨が降っているのに気づいた上人は、騙されたことに怒り狂って追いかけていく。この昔から人気のある歌舞伎十八番の鳴神上人の荒事には四つの見得(ミエ)があり、これは右手と右足を同じ向きに動かしているから大一番の飛び六方の見得でしょう。身体を静止していても動きは大きくエネルギーも爆発しそうな様子を抽象的に表現する技。代々、市川家では、感情表現をする際には無垢な少年のような心で挑むよう教えられるそうです。歌舞伎役者の見得はすごいと思います。あの左右の目の向きをあべこべにする技はどんな風にして習得するのでしょうか。この純粋ゆえに無知な上人が男となって騙されて怒り狂うコントラストは、とっても分かりやすく、私は奥ゆかしさや滑稽さを感じ、本当に好きです。自分が悪いのに怒るという滑稽さ。江戸時代の高名な絵師が当時の歌舞伎を絵に描いて、それを彫り師と刷り師が仕上げた千八百年代の作品で、着物の模様も精緻です。裏張りがあり上端にはテープが残っています。裏張り剥がしなどの加工を加えず現状有姿のまま、オーダーメイドで額装もしてあります。マットは黒雲立ち込める世界を表すために黒で額縁も黒に統一してあります。額装のためのマットには浮世絵を接着させずに固定する工夫も依頼してあります。見事な二連画を絵画のようにお楽しみいただけます。個人所蔵でも歌舞伎役者へのプレゼントでも良いと思います。着物の細かな絵も拡大してご覧ください。購入後の対応はいたしかねます。

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カテゴリー:ホビー・楽器・アート>>>美術品・アンティーク・コレクション>>>版画
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